Re: 君の素顔に恋をした(播磨×美琴,他) ( No.9 )
日時: 2006/12/05 00:48
名前: KEI

「ただいま、親父!」
「おっ美琴、どうだった?」
「楽しかったぜ」
「良かったわね〜今度は彼氏を一緒に行けたらいいわねえ〜」
「ば・・・何を言ってるんだよ・・・」

美琴は食卓の椅子に腰掛けて、酒を飲んでいる。父と
台所で洗いものをしている母に声をかけた。
どうせ、後で親父の晩酌に付き合うと思うけど。美琴は散々男の事で言われまくり、逃げ出すように自分の部屋へ入っていった。
体中に汗が付いているので、最初に風呂に入る事にした。お湯につかるの面倒くさいので
シャワーだけにしておく。




そして、自分の部屋で、ベッドの上にきりんのぬいぐるみを抱きながら
ベッドの上に横たわった。




「明日からまた学校か・・・・」

明日の事を考えると憂鬱だった。このまま休みが続けばいいのにと思う。

「美琴〜ご飯よ〜」

母の声が聞こえたので私はベッドから起き上がり、食卓に向かう。





私は椅子に腰掛けて、親父に酒を注がれた。未成年に有無も言わさず酒を注ぐ親父って一体・・・・
私は箸を持ち、ご飯を頬張っていると。

「そういえば、この前美琴男の子連れてきてたわね」

母親の意外な発言に箸が止まる。

「そうだな、紹介もしてないから分からなかったが、彼氏か?」
「そ・・そんなんじゃねえよ!あいつは友達だよ」
「ふ〜ん」

全然信じてないな。また、私のからかわれるネタが増えた。
美琴は溜息を付いて、コップに入っている酒をちびちびと飲んでいる。
いつもだったら、もっと勢い良く飲むのに、今日は疲れている為に控えめだった。

「名前は何て言うの?」
「播磨・・・・」
「そうか、播磨君か!いい体してるな。どうだ!道場で一緒にやれば!」
「あいつは一匹の狼みたいな奴で群れるのはあんまり好きじゃないんだよ」
「そうか、今度、うちに連れ来い!!」

親父の突然な発言に、美琴は口に入っているお酒を噴出した。
それを見て、親父は大声を出して笑っている。
播磨を誘う・・・・

「ごほごほ・・・・」

美琴は酒が変なとこに入ってしまったので、苦しそうに
咳きをする。

「急に何を言ってるんだよ!!」
「いいじゃねえか、お前も満更じゃねえんだろ?」
「確かに・・・あいつは男の中では話しやすいけど・・友達って言う意味で・・」

美琴は小さい声でボソボソと呟いたが、親父は聞き流した。

「第一、 あいつには好きな女が居るんだろ!!」
「奪い取れ!!」

ブーーーー
美琴・・酒を口の外に放射・・・・
見事親父の顔面に命中。

「もういい・・・私は寝るからな」
「じゃあ、今度彼氏連れて来いよ!!」


だから違うって・・・
もう、これ以上変な事にならないため、逃げるように
自分の部屋へ向かう。彼氏か・・・付き合うって
どんな感じなのかな?少しだけ興味があるけど・・
ほんの少しだけど・・・・美琴はベッドに横たわり
携帯を握り締めて、そのまま眠ってしまった。





夢の中で私は学校の中に居る。私はゆっくりと屋上へ向かっている。
屋上では男の子と女の子の声が聞こえる。
私は、盗み聞きはよくないと思うので、そこから立ち去ろうとしたが体が思う通りに動かなかった。私は中の様子を顔を少し出して覗いてみる。


「あれは・・・播磨と・・・塚本か!!」

あの二人の正体は私が良く知っている、二人だった。
播磨は真剣な眼差しで天満を見つめている。
一方の天満は笑顔だったが、恐らく分かってないだろう。



「何、播磨君話って??」
「あのよ・・・真面目な話なんだ。」
「そう、八雲の事??」
「違う、塚本お前のことだ」
「私の・・何??」

私は今、とんでもない光景を見てるんではないだろうか??


「俺は・・塚本お前のことが・・・好きだったんだ」

播磨は黒いサングラスをそっと外して、塚本を見た。

「播磨君・・冗談だよね・・・」
「冗談じゃねえ、中学校の頃から」
「中学校?私、播磨君と会ったの高校からだよ」
「俺の顔を良く見ろ・・・見たことが無いか?」

播磨はカチューシャを外し、髪の毛を立たした。
天満は手を口に当てて、驚いたように指を刺した。

「あ・・・あの時の・・変態さん・・・」
「そうだ、変態さんだ」
「今まで騙してきたの・・・・」
「違うんだ!!話を聞いてくれ」
「聞きたくない・・・ご免ね・・」

そう言い、天満は走り出した。美琴は思わず
隠れる。播磨の様子を見ると、瞳には涙が浮かんでいる。
私は思わず叫んだ。

「播磨!!!」

私はベッドから起き上がる、私は周りを見回すと
私の部屋だった。どうやら今までのことは
夢のようだ。外はもうすっかり、明るくなっている。


「夢か・・・現実的な夢だったな・・それにしても変態さん・・って何だ?正夢にならないといいけど・・・」

美琴は何か不安感を感じ、学校へ行く為、制服に着替えた。
そして、バッグを持ち、食卓にあるパンを一つ口に加え
走って家を出た。今日はいつもより、早く出た。それは播磨が心配だったからだ。
播磨はさすがにこんな早く来てないと思うけど、念のためだ。

播磨と天満がうまくいくのは、美琴にとっても嬉しいことであるがそれに反して悲しくもある。この気持ちは何だろう・・・
やっぱ親父に言われたとおり好きって言う感情なのかな?
私はいつもよりスピードを上げて学校へたどり着いた。
教室に入ると、来ている人は少なかった。来ているのは
花井とか播磨が居た・・・・・播磨??何でこんなに早いんだ?
美琴は恐る恐る、播磨に近づいた。



「おっす播磨」

播磨はサングラスで顔は分からなかったが、ぶつぶつ言っている。
イメージトレーニングでもしてるんだろうか??
私の姿が見えてないようだった。私は播磨の耳元まで近づく。
吐息が聞こえるぐらいの近さだ。普通だったらその行動だけでどきどきするだろう。
美琴は息を大きく吸い込んだ。そして・・・・

「おはよう!!!播磨!!!」
「うげええええ」

播磨は驚いて、椅子から飛び上がり、地面に倒れた。
播磨は耳を押さえながら、美琴を睨み付けた。

「周防、何か俺に恨みあるのか?」
「いや、呼んでも返事が無いからさ〜生きてるかなあ〜と」

美琴は悪気が無いように、頭を欠きながら笑いながら
答えた。播磨は小さく舌打ちをした。

「そうだ、周防!まだ授業まで時間あるしちょいと相談に乗ってくれないか?」
「ああ、この前のことね構わないぜ」
「じゃあ、屋上で・・・」




播磨と美琴は屋上まで歩いていった。まだ時間が早いと言う事から見てる人は居なかったが、これが居たら大騒ぎになったんだろう。
札付きの不良が普通の女子高生と並んで歩いているって噂にでもされたら 高野の痛いとこを付く質問や、沢近の鬼のような形相や天満にも勘違いされるかもしれない。美琴はホッと胸を撫で下ろしながら屋上へ続く階段を上り始めた。
屋上は、涼しい風が強く吹いていて、心地よかった。播磨はそこで、胡坐をかいて座り、私は金網にも寄りかかる。暫く沈黙が続いた。美琴は痺れを切らしたのか
口を開こうとしたら、播磨がとうとう口を動かした。


「あのよ・・・俺は今日てん・・・塚本に告白するぜ」
「そうか・・・頑張れよ」

予想は付いていた。教室での播磨の決心したって言う顔
そして・・・夢にまで出てきた。これが夢のようにならない事を祈るしかない。美琴は空を見上げた。雲ひとつ無い綺麗な青色をしていた。
私はふぅ〜と一息つく。

「そこで、お前に昼休み屋上に呼んでくれないか?それらしく」
「あたしに??」
「お前しか頼む奴居ないんだ」
「・・・・乗りかかった船だ。ただし後は自分でやるんだぜ」
「恩に着る」

播磨は美琴に礼を言う。ここからは播磨自身の問題だ。

「そろそろ帰るか?誤解されるだろうし。お前も迷惑だろ」
「私は・・・・」

私は別に・・って言おうとしたが口が止まった。私は
何を言おうとしてたんだ・・・危なく、変なことを
口走りそうだった。美琴は口をぱくぱくさせて誤魔化した。
播磨は何も疑問に思わずに、屋上からの階段を降り
教室へ戻る。播磨と美琴は時間差で教室に入る。一緒に入ると何かと面倒だ。教室の中ではほとんどの生徒が来ている。
おなじみのメンバー、愛理、晶が来ていた。
天満の姿は見えなかったが、恐らく寝坊して遅刻とか
そんな感じだろう。私は自分の教室へ座った。晶が私をチラッと見て微笑んだが、あえて見なかったふりをした。そして、HRが始まった。





谷先生からこの前やったテストの成績表が返された。私の成績はまあ・・普通だったかな?
晶は相変わらず、良いのに無表情だった。やまが当たったって言ってたり、勘とか言ってるけどあんた何人!?愛理も国語系以外は良かった。播磨にどうだった?って聞いてみると播磨は親指を立てて、笑った。最悪の危機を免れたようだ。天満にも聞いてみると
良かったよ〜と泣いて喜んでいる。本当、全員が進級できそうで良かったぜ。




谷先生の話を聞いた後。長い授業が始まった。私は鉛筆をくるくる回してボーとしていた。横を見てみると播磨が教科書で顔を隠しながら寝ていた。
これで顔を隠したつもりだろうが、図体が大きいためかはみ出ている。
その姿を見て、美琴は可笑しくなった。

「・・本当一直線だな・・・」

好きな人には・・・播磨は好きな人には一直線で、それ以外にはまったく興味ないような素振りを見せる。播磨らしいと言うか何と言うか。
少しは皆や私にも興味持って欲しかったり・・って思ったりする。

「はあ・・・私は何を言ってるんだ・・・」


もし、私が天満だったら自分はどう思うんだろう?
告白されたら・・どう受け止めるだろう?
美琴の頭の中はそんな事で一杯だった。
そんな事を考えていると、授業が終わっていた。
やばい・・ノート書いてない・・後で沢近に見せてもらう事にする。




播磨はなぜか知らないけど、物理の刑部先生の授業と美術の笹倉先生の授業は
真面目に聞いている。聞いていると言うか何かに怯えているようだった。
あの不良を怖がらせるあの二人って一体・・・まあ・・刑部先生は従兄弟だからだと思うけど。謎が多い学校である。そんなこんだで授業が終わり昼休みになった。
播磨は昼休みに入ったら、すぐに椅子から立ち上がり、教室を出る。
恐らく、一足早く屋上へ向かったんだろう。そして気合を入れている途中だろう。
私の役目はさり気なく塚本に伝える事だ。無論・・沢近と高野にはばれないようにだ。
いろいろと面倒な事になりそうだから。
私は真っ先に天魔の方に向かう。

「塚本〜ちょっと話しあるんだがいか??」
「ミコちゃん何??」

いつも笑顔で髪をぴこぴこ動かしている。それはどうやって動かしてるか突っ込みたくなる。

「ちょっと、屋上に来てくれないか、大事な話があるんだけど」
「話??ここじゃ駄目なの??」
「ああ・・ここじゃまずいから」

天満は暫く考えた。そして閃いた。どうせまた勘違いをしてるんだろう。

「ミコちゃん好きな人出来たんだ。それで私に相談したのね」
「何でそうなる!!」

美琴のでこぴんが天満のおでこに炸裂する。天満はなみだ目になっておでこを抑えている。当たからず、遠からず・・ってとこか・・

「違うの〜?」
「当たり前だ!!いいな絶対来いよ、屋上で待ってるからな!!」

美琴は天満に有無も言わさず、教室を出て屋上へ向かう。
屋上への階段を一つ一つゆっくり上がる。天満が来るのに暫く時間がかかるだろう。それまでに播磨に元気付けてやろう。そう、美琴は思っている。




屋上の扉を開けると、播磨が、横になって、居眠りをしている。
こいつは緊張感がないのか!!美琴は播磨に近づき
大きな声で叫んだ。

「起きろ〜〜!!」

播磨は驚いて、すぐ立ち上がり、間合いを取ってファイティングポーズをした。
長年の喧嘩の経験なんだろうか。一瞬殺気みたいのを感じた。

「何だ周防かよ・・驚かすなよ・・・」
「お前・・・マジで告白する気あんのか・・・」

播磨は周防と分かった途端、穏やかな表情に戻る。
そして、もう一度地面に腰掛ける。


「当たり前だ、その為に生きてきたようなもんだからな」
「ふ〜ん・・そっか・・・塚本はもうすぐ、来るから後はアンタ次第だな」
「いろいろ有難うな、お前のお陰ですげえ助かった。この借りは絶対返すぜ」
「はは、期待しないで待ってるよ」

美琴は後ろ向きになり、手をひらひらさせながら屋上の扉を開けた。

「吉・・と出るか凶と出るか・・・・」

美琴は階段を降りようとすると、ばったりと天満と遭遇した。

「あれ?ミコちゃん話は??」
「ああ、あれ・・・屋上に行きな、本当に話がある奴が待ってるはずだ」
「ミコちゃんじゃなかったんだね」
「悪いな、騙すような形をして」
「ううん、いいよ。私行ってくるね」

すると、美琴の夢の中の記憶がよみがえる。このまま行かせたら行けない・・・私の中の6感がそう告げる。美琴を通り越してゆっくり階段を上っている天満に叫んで呼び止める。

「塚本、私からの忠告と言うか・・・まあ・・・ちゃんと最後まで話しを聞いてやれよ」

美琴の言葉に天満は首を捻ったが、うんと頷いて屋上に通じる扉を開けた。
私の役目は終わった。播磨・・頑張れよ・・・・
そう呟いて、教室へ戻っていく。


教室では何だか気になって、落ち着かなくなっている私だった。
気になる・・・いや・・・心配してるんだ。何かが起こってるんじゃないかと
天満は人の話を聞かないとこがある。それが彼女の短所である点だ。

「はあ・・・ったく・・・何で気になるんだよ!!」

美琴は机のバンと叩いて立ち上がる。その大きな音に教室が静まり返るいつも一緒につるんでいる、愛理も晶も驚いたような表情になっている晶はいつもと変わらないが・・・そんな事は聞こえてないみたいに
急いで教室を出る。後ろから愛理の叫び声がした気がするけど先へ進んだ。

走れ・・・・美琴は廊下をひたすら走る。
途中で先生に注意されたが、すぐ謝り再び走り出した。
そして、屋上への階段の手前で天満が走って階段を降りてきた。
美琴は天満を呼んだが、そのまますれ違った。まさか・・・
美琴は不安を胸に走りながら階段を上り・・・屋上の扉を開けた。





バン!!
大きなドアを開ける音が響く。
美琴は正面を見ると、呆然としている播磨の姿が会った。
サングラスは取っている。その瞳からは涙が零れていた。
まさかまさかまさか・・・・
美琴はゆっくりと播磨に近寄る。


「播磨・・・・」

美琴は軽く、囁いた。播磨は誰の姿も今、見えていない。
美琴は・・・そうか・・・失敗したんだ・・・さっき見た、天満は涙を流していた。まさか正夢になっちまうとはな・・・
かけてあげる言葉が見つからない。呆然とその場に座っている播磨をそっと、頭を掴んで自分の方へ引き寄せる。
さすがに、それには播磨も気が付いたようだ。何が起こってるかわからないので成すがままになっていた。


「周防・・・・」

播磨がようやく、言葉を発した。

「今はいいよ・・・後でゆっくり聞くから・・・」

美琴は優しく、播磨に語り掛けた。播磨の頭を優しく撫でる。
子供をあやすような感じだ。普通だったら、播磨は頬を赤らめてガキ扱いするなよと大声を上げて叫んでいるとこだが、今はそんな気力が無い。


「悲しかったら・・泣いていいんだぜ・・・」
「馬鹿やろ・・・男が泣くかよ・・・」
「男だって・・泣いてもいいんだ・・泣くほど強くなれるからな」

美琴は播磨の耳元で囁いた。すると、播磨の瞳から大粒の涙があふれ出た。声を押し殺して泣いている。美琴もそれにつられているかのように涙が出てきた。



「何で周防も泣いて・・・いるんだよ・・・」
「それは・・・いいじゃねえか・・・別に」
「俺はな・・・後悔はしてない・・・ちくしょう・・・涙で前が見えねえ・・・」



暫くして、播磨は涙が枯れたのか、涙が出なくなった。
そして、すっきりしたように、顔を上げて立ち上がった。美琴の涙はまだ止まらない。
播磨は自分の顔を強く叩いた。

「ほら、泣き止めよ」

播磨は自分の手で美琴の涙をふき取った。
それが妙に恥ずかしくもあり嬉しかった。
美琴は少し笑みを見せた。いつもの播磨だ。安心したのか思いっきり立ち上がって、播磨に抱きついた。
播磨は久々に見せた、顔を赤らめて引き剥がそうとしてるがそんなのおかまいなしに抱きついている。

「なんだ・・その・・有難うな・・俺の為に・・・」
「あのよ・・・」

美琴が播磨の言葉を遮るように、美琴が喋り始めた。
心臓の音がバクバク言っている。何故か心がズキッと痛む。胸がどきどきする。こんな気持ちは初めてだ。

「私じゃ駄目か??」
「え・・今・・何て・・・」
「あ・・いや・・あんたを見てると何か放っておけないんだよな」
「つまりどういう意味なんだ??」
「ここまで鈍いとは思わなかった・・・・」
「悪かったな!!」
「・・・後一回だけだぜ!!私は播磨が好きだ!!」



ピキッ・・播磨完全石化・・・
播磨は不良だったので誰も怖がって近寄らなかった。
だから、女子から話しかけられること告白される事も無かったので、どう対応していいか、分からない。

「お〜い!!いつまで固まってんだ!?私だって恥ずかしいんだぞ!!」

美琴が播磨の顔に近づいて囁く、播磨の石化がとけ、再び美ことの方を向くと
顔が近くにあるので・・・恥ずかしくて、頬を赤らめた。

「何だ・・その・・・何て言うか・・・どっきり?冗談?」
「冗談に見えるか??」
「いや・・でもな・・・俺もそんな事初めてだったしな。好きになる一方で」
「あんた一途だもんな」
「で・・・その返事なんだけどよ・・・」
「あっすぐじゃなくて良いよ、まだ、私の方振り向いてないって分かってるから」

美琴は笑いながら、鼻を欠きながら答えた。

「卒業までに・・あんたを振り向かせる・・その時まで待ってくれないか!?」
「そうだな・・・もっと・・・周りのことにも向き合うべきだな」

播磨は初めてで最高の笑顔をした。本当、表情が豊かな奴だな。
やっぱ、こいつは最高だ!!こいつほど気が合う異性は、滅多に居ないだろう。

「じゃ、これから私の家へ行くぞ!!」
「って何でそうなる!!」
「私の事もっと知りたいんじゃなかったのか?」
「う・・・」
「親父が連れて来いってうるさいんだよ・・・」
「ちっ分かったよ・・・俺はバイクで来てるから、後ろに乗れ!」

播磨と美琴は屋上を出て、学校を出た、バイクが置いてある場所に向かい。ヘルメットを美琴に渡した。
播磨の後ろに美琴はゆっくり腰掛ける。

「それじゃあしっかり掴まってろよ!!」
「ああ!」

美琴は播磨の胸に手を回す。凄く大きな背中だ。
何だか暖かい・・・・こういうのもいいな・・・
一向に播磨は出発しない。と言うかむしろ
顔が赤くなってる。

「何で出発しないんだ??」
「あの・・周防さん・・・言いにくい事なんですが・・・胸が当たっていますが」

播磨の背中に美琴の豊満な胸が押し付けられていた。一応私の事を女として見てくれてる事が嬉しかった。
美琴は更に強く、胸を播磨の背中に押し付ける。

「当ててんだよ・・・・」
「・・・・・・・」
「それじゃしゅっぱーーつ!!」

美琴の大きな声で播磨はアクセルを踏む、バイクを走らせた。
いつか絶対振り向かせる・・・・
時間は待ってくれない・・・・卒業まであと1年・・
積極的にアプローチしてやる!!覚悟しろよ播磨!!



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