Re: 君の素顔に恋をした(播磨×美琴,他) ( No.8 )
日時: 2006/12/05 00:45
名前: KEI


美琴家では・・・・美琴の親父が笑いながら、遠慮なく
お酒を出してきた。本当うちの親って言うのは常識を
知らないと言うか何というか・・・・酒飲んだら
勉強どころじゃないだろ・・・実際、勉強どころじゃ
なかったんだがな・・・

「美琴、お前の好きな男ぐらいつくれよ」
「うっさいな〜大きなお世話だ」

美琴は食卓で親父に散々、からかわれまくった。
天満達はニヤニヤ眺めてただけだった。

「美琴は好きな人居ないのか?」
「それは・・・居ないに決まってるだろ!!」
「その間何かしら?」

一瞬の間を晶は見逃さなかった。

「本当ミコちゃん!!今夜は寝かせないよ!」

天満が目を輝かせながら言ってくる。
愛理も頷くだけだった。食事をし終わった四人は
汗を流そうと、順番に風呂に入った。
四人はそれぞれ違うパジャマを着ていた。
天満は赤と白のストライプのかわいいパジャマで
晶は着物を着ていた。愛理はフリルの付いている。肩から下までと言ういかにも色っぽいようなパジャマだった。美琴は胸が大きい為か、少し緩めのパジャマを着ていたので少し胸元が見えている。

「その・・・相変わらず美琴は胸大きいわね」
「沢近さん〜どこ見て言ってるんですかね〜」
「そのボリューム満点の迫力あるマシュマロみたいな柔らかさの凶暴な胸」
「んだとこら!!」
「まあまあ落ち着こうよ」
「今日は全然、勉強捗らなかったわね・・・」
「じゃあ、皆の恋バナを聞いた後にやろうよ〜」

天満の発言に、皆はいやそうな顔をした。晶を除いてだがトランプをやりながら四人は話し始めた。



「それで皆は今、好きな人いるの??」

天満は目を輝かせている。いかにも教えて教えて
そう、訴えているようだ。

「まず、愛理ちゃん」
「私は居ないわよ!」

愛理はあっさり言い切った。

「これじゃあ〜話が進まないよ〜ミコちゃんは会麻生君だとして〜」
「ちょっと待った!!何でそうなるんだ!!」

美琴は必死になって反論した。

「じゃあ?花井君?」
「あのなあ・・麻生は友達で花井は幼馴染だ・・・」
「そうなの〜残念だな〜ミコちゃんの話が聞けると思ったのに・・じゃあ次は私の話ね」

天満はピコピコ髪を動かしながら語り始める。天満はひたすら烏丸の事ばっかり話し続けた。3人は目だけ天満の方を向いていても話は恐らく聞いていない。右の耳から入って、左の耳から出て行っているだろう。

「で、私の話は終わり。次は晶ちゃんね」
「私?」
「晶ちゃんは好きな人居るの?」
「晶は居ないでしょう?」
「・・・・・・」
「何・・その間は・・」
「言っていい??」

晶の台詞に三人が息を飲み込む。今度は
全員が耳を傾けているようだ。あの、晶に好きな人
これは弱みを握りチャンスかもしれない。天満以外
美琴と愛理はそう思って、聞こうとしているのだった。

「サングラスかけて、髪をオールバックにした男の人」
「え!?」

晶の一言に、愛理と美琴は声を上げて驚いた。
その表情を見て、晶は勝ち誇ったような表情を
浮かべている。これはアレですか?晶の思惑通り
に嵌められたのですか?

「冗談よ」

「晶・・性格悪すぎ・・・」
「本当に・・・」
「まっ半分はだけど」
「半分かよ!!(なの?)」

二人の突込みが冴え渡る。
お互い、自分の気持ちを正直に言わない。
少し、天満が羨ましく思える。自分の気持ちを
はっきりと言える天満が・・・

「二人とも素直じゃないわね」

晶が小さい声で呟いたが、誰も聞こえて
無かった。

「はいはい、それじゃあ勉強を始めっか!」

美琴はこの話題から抜け出そうと話を変える。
これ以上すると、何か墓穴を掘るような気がしたからだ。播磨も勉強してるのか?
出来れば、あいつにも頑張って欲しいな・・・美琴はそう思った。
天満はもっと話しをしたかったみたいだが、烏丸のと
留年の事を言ったら、諦めたようだ。それぞれ教科書と
筆箱を持って勉強を開始した。






一方・・・播磨宅では・・・・
播磨が従兄弟である、刑部絃子に手を地面について
土下座をしている姿があった。
絃子は呆然とその姿を見ていた。

「どうしたんだい、拳児君?」
「頼む、絃子!いや・・・絃子さん・・俺に勉強を教えてくれ」
「ほう・・どういう風の吹き回しだい?」

絃子は腕を組んで、播磨に尋ねた。絃子はタンクトップ
に短パンと言う、露出の高い服を着ていた。
家に居るから、気にしなくていいと思うが
同居している播磨が居る。播磨も男だ
学校の中でも指折りの美人がこんな格好をして
平常心を保てるはずは無い。播磨は慣れてるから
大丈夫だが。他の男子だったら、間違いなく興奮するか
失神するか。襲うか・・のどちらだろう。
すこしは恥じらいと言うものを持って欲しい・・・
播磨はそう思うのだった。

「なるほど、このままでは単位を落とす。それだと好きな人と一緒になれない」
「ああ、短く言えばそういう感じだな」
「私に教えてもらう事はどういう事か分かるかい?」

絃子は自分の部屋にある、コレクションである銃を取った。
何でそんなに・・真剣に選ぶ必要があるんだ・・・
と言うか・・これは本物ではありませんよね・・イトコさん・・

「つまり私の教えは厳しいぞ!!」
「覚悟の上だ」
「ふふふ、楽しみになってきたな」

播磨は絃子と徹夜で勉強をする事になった。
部屋中に・・物凄い、乱射している銃の
音が鳴り響いた。間違える度に絃子の
銃が容赦なく襲ってくる。間違いなく慣れて居ない奴には
その痛さが分からない・・・初めての人は気絶するだろう。
俺は絃子のお陰で頑丈になったようなものだ・・・
しかも、これは改造式だから。人も殺せるって脅した
こともある。そんなの人に向けて撃つなよな。
今日・・一日中播磨の悲鳴が・・・響き渡っていた。



そして・・・テスト当日・・・・
教室で皆は血相を変えて勉強をしていた。
もちろん、播磨もその一人だ。
家を出るときに、絃子から貰った暗記カードを
必死に覚えてる。どうせだった早く渡して欲しかった。
播磨はノートが黒くなるほど書いていた。

「ふ・・播磨の奴、今頃勉強したって遅いんだよ。俺は40点・・いや45点は固いぜ。お前は留年しろ、赤点大王」

こいつの名前は誰だと言う奴は多いと思う。自称不良・・吉田山
今は播磨の舎弟に成り下がっているが、いつか播磨を倒して憧れの愛理の目の前でこき使うと言う、いかにも小物くさい事を考えている。播磨は名前すら分からなく気にしては居ないが。まあ・・吉田山の話はもういいだろいいだろう・・・つまんないだろうから

「え・・俺の出番これだけ・・・」
吉田山は呆然と突っ立ってると美琴に押されて壁に激突した。

「あれ?名前知らないけど・・そこに突っ立てると邪魔だぜ。播磨オッス!やってるな」
「よお!周防か」
「どうだ?大丈夫そうか?」
「まあ、やれる事はやったからな」
「そうか、お互い頑張ろうぜ」

周防は播磨の肩をポンッと叩いて、ニコッと笑った。
播磨もそれにつられ、少し頬を緩めた。
そして、担任の谷が教室に入ってきた。
テスト用紙が手に持っていた。

「これからテストするからな」

谷は順番にテスト用紙を配っている。播磨は目が真剣に鳴る。
俺はやるぜ!!
播磨は自分の頬を手で叩いて気合を入れる。
美琴はその仕草を横目で眺めていた。そして、微笑んだ。

「それでは試験開始だ」

谷の声で全員が一斉にテスト用紙をひっくり返した。
最初の科目は英語だった。英語は播磨が最も苦手としているものだった。
なんせ修学旅行のときに、Orderを織田と勘違いしたくらいだ。
何でも英語を三国志関係に直す程の馬鹿だ。しかし、今は違う。
あれ・・・わかるぜ・・・何だか問題が分かる。
播磨は心の中でガッツポーズしながらすらすらと鉛筆を動かしていった。
英語・・・数学・・とテストが次々と終わっていく。



そして、テスト時間が終わり、担任が終了の合図をした。
全員は一斉に鉛筆を置いた。

「よし!手ごたえはあった!!」

播磨は机の下で小さくガッツポーズをした。
播磨がここまで真面目にやるなんて、思わない。
それも、愛する天満の為だ
天満ちゃんは出来たよな・・・

「天満・・どうだった??」
「ほぇ・・あ・・愛理ちゃん」
「あんた何、ぼーとしてるのよ」
「何かテスト疲れで、あはは」
「これで皆、進級だな♪」

天満ちゃんは大丈夫みたいだな・・
ひとまず安心だぜ。あとで絃子にも礼に何か奢らねえと・・・・

「美琴は・・・何か言わなきゃ行けないことがあるんじゃない?」
「何だよ高野・・・」

晶は美琴の耳に近づいて、ボソボソ囁いた。
すると、美琴の顔がみるみる内に赤くなる。

「何でお前が知ってるんだ」
「盗聴・・いえ・・バイトで偶然見かけたのよ、後を付けたら・・・ねえ?」
「あのよ・・この事は・・」
「安心して、プライベートは内緒にするつもりだから」

本当にこいつは油断ならねえな・・・・

「だから、後で・・ね」

晶にこれまで経緯を教えなくいけなくなった。今まで黙ってたみたいだけど
仕方ない・・・晶に隠し事できるなんて思ってなかったし・・・
そして、テスト明けの休みに入る。
天満達はスキーへ行く約束をした。播磨も誘ったんだが
用事があるみたいで行けないみたいだ。
播磨は自分の部屋で漫画をひたすら描いていた。
よし、この漫画が完成したら、告白する。
播磨はそう、決心する。

内容はこうだ・・・播磨に似ている主人公が天満似の一人の少女に恋をする。
しかし彼女はその想いに気づかないまま時間だけが流れていく。
そして、その少女が違う女の子の事を好きだと勘違いする。
その事でショックを受け、暫くぶらぶらを歩いて決心した。
砕けてもいい・・告白する・・と・・・しかし、その少女には想いを寄せる男の人が居た。しかし、主人公は諦めずにその少女を呼び寄せ真剣に告白をする。しかし、友達から・・って言われ玉砕したと思えたが、暫く友達として付き合っているうちに、互いに惹かれあい二人は結ばれる。

「・・こんな話でどうかな??」
「はい・・・いいと思いますが・・もっとこうした方が・・・」



播磨はいつもの様に、八雲と漫画について相談していた。天満ちゃん達は今頃スキーか・・・楽しんでるだろうな〜そう呟きながら・・・
まあ・・・今年は・・・いろんな事があったな・・・






2月14日・・・俺には関係ない日だと思ったが
今年に限って、何だか違った・・・机の中にチョコレートの山がたくさん入っていやがった。何かの嫌がらせかと思った。しかも妹さんや周防、まさかお嬢にまで貰うと思わなかったぜ・・・妹さんには、いつも手伝いで悪いから断ったのに、本当いい妹さんだ。
周防は今までのお礼って言ってたけど、俺何かしたっけ?
お嬢何か顔赤らめて文句言ってたけど、嫌なら渡さなければいいのによ。しかも皆、手作りだ・・・・お嬢の料理の実力は知ってるから、躊躇うんだけど食ったら意外と美味しかったぜ。もちろん天満ちゃんにも貰ったぜ。
しかも、はっきりと義理チョコって言われたときは、ショックで記憶が飛びそうになったし・・・今となればいい思い出だ(まだ早い)




そして・・修学旅行でなぜか知らんが、高野に俺のサングラス無しの寝てる姿を取って、皆にばらまいてたり、売ったりしていた。しかも、儲けも出たってどんな物好きだよ・・・自分で言うのもなんだがよ。班はまさかの天満ちゃんと一緒の班になったかと思ったら、おまけまで付いてきたぜ・・楽しかったけどな。



播磨・・現実逃避・・・




「あの・・・播磨さん・・・」
「・・・・ん?妹さん」
「具合悪いんですか?」
「いや、考え事をな」



播磨は再び、漫画の執筆を開始した。書くこと。2時間が経過し漫画はとうとう出来上がった。播磨は手を大きく上げて、大きくガッツポーズをした。
ボラトーンのポーズを・・・・

「(よし、この勢いに乗って天満ちゃんに告白してやるぜ!!)」

播磨は心の中でそう呟き、ポケットから携帯を取り出す。
えっと・・・宛先・・・周防・・・
一応・・天満ちゃんを呼び出すのにセッティングが居るからなお嬢じゃ・・何を言う分からないし・・高田だっけ?あいつは不気味だし・・何を考えてるか分からねえから、一番まともな周防に相談するしかないと思った。

「何か引っかかる言い方だな」

周防の幻聴が聞こえた気がしたが、あえて流す。
大きな手に似合わず、素早い動きでメールを打っている。
送信・・・ポチッと 播磨は送信ボタンを思いっきり押した。





一方、スキー場で遊んでいた4人組は・・・

「天満、貴方スキー滑るのうまいわね」
「えへへ♪」
「意外な才能だな」

天満は愛理と美琴と一緒に難関の上級コースで滑っている。愛理と美琴は分かるが、天満が滑れるなんて、意外な才能が発掘された。
華麗に滑ってる2人(天満を除いて)その姿を男子がじろじろ見てるのは言うまでも無い。
もう一人大人の女性が引率として付いてきた。刑部 絃子・・絃子はスノボーで
滑らかに滑っている。大人の出す雰囲気で男子を魅了した。その事で葉子が面白くないように頬を膨らませていたが。焼きもちだろうか?

「先生、播磨を置いていって良かったんですか?」
「ああ、周防君 彼は放っておいても死ぬような奴じゃないよ」
「むしろ、居ない方が安心するかも」
「高野君・・何か言いたいことあるのかい?」
「いえ、ありません」

絃子と晶は顔は笑ってないが、声だけが笑っていた。
怖いとしか言いようが無かった。
晶は滑れないのか、雪だるま姿になって、皆の姿を眺めていた。いや、滑れないとは思わないが、皆が滑っている方向を見て、ジッと眺めている。手に何やら不振なものを持ってあいつは・・たぶん・・皆の面白映像を取りたいだけだった。本当油断もすきも無い奴だった。






一通り滑り終わり、日も沈んできた。私達は宿泊のホテルに向かう。

ホテルの部屋割りは、絃子と葉子 天満と晶 愛理と周防だった。

「夜、遊びに行くからねえ♪」

天満が手を振りながら、部屋へ入る。
私も、それに手を振って返し中へ入る。
中は以外にも綺麗だった。ホテルとはこんなもんかもしれないが。
ベッドは二つあって(一つだと困るから)机の上に小さな電気が置いてありベランダからはスキー場が見える。風呂とトイレは一緒になっていて
風呂とトイレの間にカーテンで挟まれている。
美琴は勢い良くベッドの上に倒れこんだ。

「はぁ〜今日は滑ったな〜」
「美琴、私は先に汗を流すから風呂は入るわね」
「おう!」

愛理は風呂に入っている間、暇だったのでごろごろしていた。
携帯が鳴り響いた。美琴は携帯をポケットから取り出し
中身を見てみると・・・メール有り・・・名前 播磨 拳児
美琴はその中身を見た。
なになに・・・もうすぐ、塚本に告白する・・・相談に乗ってくれないか
って・・なにぃぃぃぃ!!

美琴は思いっきりベッドから立ち上がった。
まだ、愛理はシャワーを浴びている。
この事は沢近には内緒にしたほうが良いな。
美琴は携帯を閉じて、机の上に置いた。


「美琴、貴方も入れば?」

風呂からバスタオルを羽織、髪の毛を拭きながら
愛理が出てきた、本当色っぽいなこいつって・・いつもは縛っている髪だが、今は髪を下ろしている。何か大人っぽい雰囲気だ。まず、普通の男だったら
まず、ときめくだろう。播磨って・・鈍感なのか・・女を見る目が無いのか普通の人ではない事は確かだな。別に塚本がって訳じゃないぞ!

「う〜ん・・そうだな」

美琴はベッドから立ち上がって、風呂場に向かう。一枚一枚
服を脱いで行き、お湯につかる。

「ブクブクブク・・・・」

美琴は髪の毛をシャンプーで洗い、体を洗って
お湯の中で口まで漬かりながら、考えていた。
播磨が告白に成功する確率は・・・ほぼ・・0%じゃ・・・
塚本は烏丸にぞっこんだし・・・振られたら・・どうするんだ・・
自殺とかはしないよな・・・ほんの少し魂が抜けるだけで・・・
美琴はそんな事を考えてると、頬が赤くなっていた。風呂に長い時間は入りすぎたようだ。
美琴は風呂から出て、タオルで髪の毛、体を拭き、パジャマに着替えた。
ドライヤーで髪を乾かし。風呂を出る。




「あっミコちゃんが戻ってきた〜♪」

ベッドには遊びに来た、天満と晶の姿があった。
トランプを片手に持っていた。

「明日帰るんだし、今日は徹夜で遊ぼうよ〜」
「天満、それで明日起きれなかったら置いていくわよ」
「うう・・・愛理ちゃん酷い・・・」
「はは・・・」

あいつは播磨の事どう思ってるんだろう??
「天満、弱いな・・ババ抜き・・」
「天満は顔に出るからね」
「え〜ん・・・こうなったら勝つまでやるよ!」




一晩中、トランプが続きました・・・しかも天満は一回も勝てずに天満の我侭に付き合っていたら、そのまま雑魚寝で寝ていたのだった。
美琴は起きると、既に朝になっていた。





「・・・・ふわあああ・・このまま寝ちゃったのか・・・」

美琴はベッドから起き上がると、背筋を大きく伸ばして欠伸をした。
周りを見ていると、気持ちよさそうに寝息を立てていた。天満は寝言見たいのを言っていたが気にしなかった。



トントン、誰かがドアを叩いている音が聞こえた。

「おい、君たちもうすぐチェックアウトするから準備しておくようにな」
「置いて行っちゃうわよ〜」



昨日、夜中まで二人で酒を飲んでいた二人・・・絃子と葉子だった。
隣の私達の部屋まで聞こえてきた。播磨がどうとか言ってたけど・・
あれだけ、飲んで平気で起きられるなんて、相当強いと思う。
私もそれなりに飲めるんだが、あの二人には勝てないだろう。
従兄弟なのに、播磨は全然弱いけどな・・・
美琴はまだ、気持ちよさそうに寝ている二人を起こそうとした。
えっ二人??誰か一人足りなかった。塚本・・沢近・・・・

「・・・・・・」
「えっと・・・高野さんそこで何をしてるんですか?」
「カメラ・・・皆の寝顔とパジャマ姿・・・」
「それをどうするんだ!?」

美琴じは予想はしているが、あえて、聞いてみた。


「高校で・・・セールでも開こうかしら・・・何処かの馬鹿が高く買いそうだわ」
「売るな〜〜!!!」

何処かの馬鹿・・・美琴は男子の事を想像していた。今鳥は間違いなく買う花井・・は八雲ちゃんが居ないから買わないだろう。後は・・沢近目当ての客か・・皆、見てくれに騙されてるな。播磨もその一員に入ってるのが
何だか情けなく思える。

「残念・・・美琴さん・・強烈ナイスボディ・・・これはD・・いやE・・の裸の写真があるのに・・・10万でも買う人居るわよ」
「だぁあああああああ、いつ取ったんだ」

晶は、写真を全部手でひらひらさせていた。美琴はあわてて、取り返そうとしたが
見事に避けられてしまう。

「冗談よ」
「そうだよな・・・・」
「後者は」
「って事は。寝顔は撮ったのか」
「うん、いい顔だったわよ」

こいつだけは・・・一夜をともにしたくない・・・
そう、心に深く誓った、美琴であった。
それから、今までの出来事などまったく聞こえてない
二人がのん気そうに目を覚ました。


天満はまだ眠そうに、目をパチパチしている。

「そろそろ、チェックアウトだから、支度しておけだって」
「は〜い」

天満と晶は自分の部屋へ戻っていく。私たちも、パジャマを脱ぎ洋服に着替えた、寝癖が以上に立ってたので、ブラシで何回もとかしていた。沢近は自慢の髪の毛がボサボサヘアーになってたので最悪〜とか呟きながら直し始めた。

「準備できたかい?」
「はい!!」

絃子が、部屋の中へ入ってきて、忘れ物ないか、チェックしていた。
もう、私達は子供じゃないんでと言いたかったが言えなかった。
帰りは絃子の車で規定人数を超えていたので、無理やり乗ってギュウギュウになりながら、走り始めた。行きは生きた心地がしなかった。
葉子さんが飲酒運転で高速道路を180キロを越えて運転をしていた。
本人の趣味は酒飲みながら運転で(絶対にまねしないで下さい)
カーブもスピードを落とさずに曲がるし・・・絃子先生曰くあれはまだ序の口らしい。思い出しただけで寒気がした。帰りは絃子先生だから安心・・と思ったのは大間違いだった・・・

「う・・・うわああああああ」
「先生・・安全運転でお願いします」
「安心したまえ、これでも抑えてる方だ」


絃子先生は平気で制限速度を超え、曲がるときもスピードを落とさず、平気で対向車線へ入る。たまに車にぶつかりそうになるがギリギリの所で交わしている。一つ間違えれば、全員お陀仏だ。
先生はこのスリルがいいとか言ってるが、その内ショック死するぜ・・
塚本なんか魂が抜けかかってるし・・・


「先生、塚本が魂抜けてます」
「押して込んでやりたまえ」
「出来るか!!」
「よいしょ!!」
「って高野がしてるし〜!!」
「ほえ・・私一体何を?」
「元に戻ったし〜〜!!」
「美琴さん、ナイス突っ込みのタイミングね。」
「誰がそうさせてるんだ!!」
「はあ・・・何か疲れたわ・・・」








怖い思いしながら、一行は自分たちの町へたどり着いたのだった。普通に言ったら6時間はかかる場所なのに、2時間で着いてしまった・・・警察に捕まんなかったのが
凄いくらいだ。



全員が車から降りて、ふらふらの状態で最初に発した言葉は・・・・





『生きてるって素晴らしいな!!』



「それじゃ、私達は帰るから、君たちも今日はゆっくり休んでおきたまえ」

誰がそうさせたんですか・・とは言えない・・・
絃子と葉子はそのまま、車で再びすっ飛ばして行った。
よく、あれで事故起こさないな・・・
そして、皆は今日は疲れたのでまっすぐ、家へ帰る事にした。
晶はそのままバイトとか言って、走っていってしまった。



「一応、播磨にメール入れとくか」


メール内容・・・播磨宛

たった今、帰った来たぞ!!くたくただぜ・・・(>_<)
今日は疲れた寝る・・・おやすみ(-_-)zzz

送信。ポチっと
美琴は携帯を閉じて、ポケットに入れた。
暫く、家への道なりを歩いていると、携帯が鳴ったので
再び取り出し、中を見てみる。


メール内容

お疲れ!!絃子から聞いたぜ。
あいつの運転は危ないからな〜
とにかく、ゆっくり休め。じゃあな

「・・・色気ねえ文章・・・」

まあ、播磨にそこまで期待するのは酷と言うもんだった。美琴は首を左右に捻り、溜息一つ付いて、空を眺めた。雲がいろいろな模様になっていて、面白かった。
虹っぽいのが見える。
そして、心地よい風が私の髪をなでる・・・
美琴は髪をかきあげながら、いつもの通りを歩いていて
疲れてたのでいつもより時間がかかってしまったがやっとの事で自分の家に着いたのだった。



戻り