Re: 天使のささやき (サラ×麻生) ( No.1 ) |
- 日時: 2006/02/18 01:12
- 名前: たぴ
- ある日の休日、駅前で。
私はちらりと時計を見る。 約束の時間まであと2分。 待ち人はいまだ姿をみせることはない。だけど心配もしていない。 だって、あの人がいままで約束の時間に遅れたことはないから。 昨日の夜から待ち焦がれていた瞬間を、わくわくしながら待つことが出来る。 この時間が、結構好き。
「あ。先輩発見♪」
人ごみの中にその姿を見つけて、思わず笑みがこぼれる。
「センパーイ!こっちでーす!」
その喜びを。その嬉しさを。 全身で表現するようにひらひらと手を振って。 道行く人の注目を浴びるのもお構いなしに声をかける。 一秒でも早く、私のことを見つけて欲しいから。
その甲斐あって、すぐに私のところに辿り着いた先輩の第一声がコレ。
「なあ・・・やってて恥ずかしくないか?」 「ヘーキですよ」
少し照れくさそうにしてる、その表情がとても好き。
「ところで今日の私、どうですか?」 「別に・・・いつもどおりだ」 「それはいつもどおりカワイイってことですね♪」 「・・・なんでそうなる?」
いつもより念入りにセットした髪も。 ほんのちょっぴり背伸びして、控えめに塗ったこのルージュも。 おろしたての服も褒めてはくれない。 先輩は気づいてても口には出さないから。 でも、いつかきっと褒めてもらうんだ。 それが私の密かな野望。
「馬鹿なこと言ってないで行くぞ」 「あ、待ってください」
先に歩きだした先輩に慌てて追いついて。 二人、肩を並べて歩く。 本当は手をつなぎたいんだけど、そんなことはしない。 先輩、恥ずかしがり屋だから。 私から手をつなぐと握り返してくれるけど、それじゃあんまり意味がない。 いつかきっと先輩のほうから握ってもらうんだ。 それが私の密かな野望その2。
「先輩、どっちが似合うと思います?」 「俺に聞くな」 「ん〜。つまり先輩の好みじゃないんですね。じゃあ、他の店に行きましょうか?」 「・・・まだ行くのか?」
まだ5件目なのに、音を上げる先輩。 きっとウィンドウショッピングなんてつまらないと思っているのだろう。 効率第一主義の先輩からしたら、買わないのに見ているだけで楽しめる感覚がわからないってカンジかな。 でもつきあってくれる。 それだけでも十分うれしいんだけど・・・。 もう少しだけ楽しそうな顔をしてほしいな。 それが私の密かな野望その3。
「今度はあそこへ・・・」 「自転車、来てるぞ」
後ろから来ていた自転車に気づかなかった私を。 先輩は腕を掴んで引き寄せてくれた。 そんな先輩のしぐさに胸がキュンとなる。 そんな先輩が愛しくて、思いっきりギュッてしたくなる。 というわけで先輩の右腕はしっかりとロック完了♪
「おい・・・そろそろ離れろ」 「イヤです」 「・・・頼むから離れてくれ」
口ではそう言うけど、無理に引き離そうとはしない。 そんな不器用なやさしさに甘えたくなる。
「――――――」
私は上目遣いに、そっと囁いて。 その言葉に先輩は一瞬眉をひそめたのだけど。 先輩はこんなこと言われると断れないって知ってるから。 やがて観念したような表情で私を見る。 そんな先輩が、たまらなく好き。
「ねえ、先輩」 「なんだ?」 「・・・・・・だいすき♪」 「なっ! ・・・んだよ急に」
だって好きなんだもん。しょうがないじゃないですか。 今はどんなに頑張っても、先輩は愛の言葉を返してはくれないけど。 だけど、いつかはきっと。 とろけるほどにあま〜いセリフを囁いてもらうんだ。 それが私の大いなる野望。
真っ赤になった先輩に腕を絡ませて。
そのぬくもりを感じながら共に歩む。
私はいま、とてもしあわせ。
先輩は、どうですか?
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あとがき ( No.2 ) |
- 日時: 2006/02/18 01:04
- 名前: たぴ
「――――――」に入るサラのセリフはお好みで。
1.もう少し、このままでいてください。 2.離れたらキスしてくれますか? 3.へぇ・・・そんなにアレ、バラして欲しいんですか?
黒サラ撲滅運動実施中。(説得力無し)
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